自宅レコーディングした曲で &[AND]はなぜデビューできたのか?
2008年11月にメジャーデビューした&[AND](アンド)は、楽曲制作をすべて宅録で行いました。宅録で制作した楽曲で、なぜメジャーデビューができたのか?その全貌を公開します。
レコード会社側の事情
長年音楽業界は不況だと言われ続けています。CDが売れなくなった、ミリオンアーティストが出ないとか。
CDが売れないと会社の収益が減る。→商品製作費が削減される。→新しいアーティストを出すための予算が減る。 →商品(アーティストと楽曲)が減る。→CDが売れなくなる。→会社の収益が・・・という悪循環になります。
通常アーティストがデビューするにあたり、発生する費用の大まかな項目としては、以下のようになるでしょう。
楽曲の制作にかかるお金(バンドの場合)
- リハーサル(バンドがそれぞれ音を出し合いながらバンドアレンジをする作業)スタジオ料金(相場2千~4千円/1時間)、作業に伴う雑費など
- プリプロ(どのような録音作業が、本番のレコーディングに必要なのかをシミュレーションする)スタジオ料金(プリプロレベル:相場10万/1日)、エンジニアに支払うギャラ、プロデューサーに支払うギャラ、機材のレンタル代、作業に伴う雑費
- レコーディング(シミュレーション通りに、本番録音する)スタジオ料金(本番レコーディング:相場20~50万円/1日)、エンジニアに支払うギャラ、プロデューサーに支払うギャラ、機材のレンタル代、作業に伴う雑費
商品(CD自体)を作るのにかかるお金
- CDプレス代
- パケージ代
プロモーションにかかるお金
- 写真撮影
- PV撮影
- 衣装
- CDジャケットの制作
- 宣伝する為に各種メディア/マスコミ側に支払う広告費
- アーティストのオフィシャルサイトの制作
- ライブ活動
こうやって見たただけでも、かなりのお金がかかることが容易に想像がつくでしょう。ですので、レコード会社側も簡単には動けないのです。
経費はあまり掛けられない。しかし商品を生み出さなければ売るものがない。費用対効果の高い収益を得られる商品(音楽)をレコード会社は常に求めています。
商品として発売出来るクオリティーの音楽
レコード会社側の事情を考えると、費用を出しづらいのは分かっていましたし、&[AND](アンド)はインディーズでの実績もありませんでした。
そこでOZAが考えたのは、自分たちが払えるくらいの費用で、商品として発売出来るクオリティの音楽を作るということ。 そして、配信限定の販売をすることで、パッケージCDの製作時に発生する費用の、多くの項目部分を削減できるということをレコード会社に提案しようと考えました。
自宅レコーディング(宅録)は、何度でも録音ができるというメリットがあります。納得いくまで作品を作り込む事ができ楽曲のクオリティーを上げていけます。空いている時間・思いついた時にすぐレコーディング作業にとりかかれるため、感性を100%出すことができるのです。そして自宅で行うデジタルレコーディングなら、低コストで音楽制作が可能です。
自宅で行うデジタルレコーディングでどのような作品に仕上がったのか?
宅録でメジャークオリティーの楽曲制作を試み、どのような作品に仕上がったのか?実際にメジャーデビューを果たした&[AND](アンド)の1stシングル「POWER」をiTunesで試聴できます。ミックス、マスタリングの作業まですべて自分たちで行いました。是非聴いてみてください (^-^)
次回はレコード会社へデモテープを送る時の提案のポイントや、宅録でのメジャークオリティーの楽曲制作の仕方、録音方法を公開します。